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浮きグレなぜ起こる?浮きグレの発生する理由と攻略法

フカセ釣り

浮きグレはなぜ起こる?浮きグレの発生する理由と狙い方

グレ釣りをしている方は一度は耳にしたことがあるであろう「浮きグレ」

釣りをしていると、沖合に数100匹はいるであろうメジナの群れが海面に群がって泳ぐ異様な光景を目にすることが多々あります。

この記事では、いまだ科学的な研究が行われておらず謎に包まれたままの「浮きグレ」が起こる理由について考えていきます。

浮きグレとは何か?

浮きグレとは、メジナ(グレ)が海面付近に群れを成して浮上してくる現象です。

磯場などで釣りをしていると沖合の潮目などに出現し、海面に口を出し、コイのようにパクパクと息継ぎをするような様子を見ることができます。

メジナは元々群れを成して行動することの多い魚ですが、基本は岩礁の陰に身を潜めており回遊性の高い魚ではありません。

メジナを知る人から見れば「浮きグレ」はなんとも異様な光景なのです。

そんな浮きグレですが、現在の時点では科学的な研究が成されておらず謎に包まれたままです。

「浮きグレが発生する理由」について考えていくうえで必要なポイントがいくつかあるのでまとめました。

point

口太メジナのみで構成されている

メジナは、主に口太メジナ、尾長メジナの2種類に分けられます。口太メジナは回遊性が低く、岩礁帯の根周りに身を隠し主に海藻や甲殻類を主食としています。反対に、尾長メジナは回遊性が高く沖の潮目を群れを成して回遊し、小型の動物プランクトンを主に捕食しています。

このようにメジナには習性の異なる2つの種がいますが、不思議なことに浮きグレにみられるのは口太メジナだけなんです。

メジナには、口太、尾長以外にオキナメジナと言われる種も存在しますが、個体数が少なく生息域も限られるためあまりメジャーではありません。

潮目に現れる

浮きグレは、潮目に列を成すように現れることが多いです。

湾内などの潮の動きが緩いエリアに出現することはほとんど無く、流れの効く沖の潮目で見られる事がほとんどです。

高水温期に多く見られる

浮きグレは一年中どこでも見られるわけではありません。

私筆者がメインで釣行している伊豆半島では、浮きグレが見られるのは春から秋の高水温期に多い傾向があります。

しかし、近年では地球温暖化の影響で真冬でも水温が落ち切らず、1月、2月の厳寒期と呼ばれる時期にも目撃情報を耳にするようになりました。

年々増え続けている

先述した「高水温期に多く見られる」にも関連しますが、年々浮きグレを見ることが多くなっていると感じています。

実際、周りの釣り人も口をそろえて言っているをよく耳にします。

高水温期に多く見られる浮きグレが、平均水温が上がり続けている近年目撃頻度が増えるというのは当たり前っちゃ当たり前のことですよね。

浮きグレは釣れない⁉

浮きグレになったメジナは釣れるのか?という問いに対して、浮きグレは釣れる!と主張する人と、釣れないと言う人がいたり、釣れる浮きグレと釣れない浮きグレの2種類が存在するという人がいたりと意見は様々です。

私自身も浮きグレを釣ろうと試みたことは何度もあります。

浮きグレの周りに撒き餌を打つと、驚いたように群れはいったん散り、その後何事もなかったかのように口をパクパクさせながら漂います。

この様子を見ていると、どうも撒き餌には全く興味を示していないことが見て取れます。

オキアミを配合したコマセを捕食対象と認識していないのであれば、針についたオキアミも喰うはずがありません。

また、浮きグレが釣れるとき明確なアタリが出ることはなく、居食いのような喰い方をするというのも有名な話です。

私が考えるにこれは、餌をメジナが喰っているのではなく、海面に口を開けて出していたらたまたまオキアミを吸い込んでしまった結果、釣れてしまった。こういう流れなのでは?と考えています。

海面に数百匹、数千匹ものメジナが口を出しながら漂っていたら、一匹くらいは掛かってもおかしくありません。

以上のことから浮きグレになったメジナは釣れない、というよりも餌を捕食対象として見ていないと考えられます。

私個人の経験則で語らせてもらったので科学的な裏付けはありませんが、今回は「浮きグレは餌を捕食対象として見ていない」と仮定して考えていきたいと思います。

磯焼け

皆さんは「磯焼け」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

磯焼けは、沿岸の岩場や海底に生息する海藻類(特にアオサやカジメなど)が減少し、生物多様性が低下する現象を指します。

岩礁周りに生えていた海藻が全て焼き払われ、丸裸の岩の状態になってしまっているというようなイメージですね。

この現象は、海藻が豊富に生える「藻場」が衰退し、岩場が荒涼とした状態になるため、漁業や生態系に悪影響を及ぼします。

今までメジナをはじめ海藻類を食べる魚(藻食性魚類)が餌としていた海藻類が無くなりつつあるという重大な問題がこの磯焼けなんです。

主な原因

  1. 植食性魚の増加
    アイゴ、ブダイ、キュウセンといった植食性魚類が海藻を過剰に食べることで、海藻が減少します。これらの魚の増加は、海水温の上昇(温暖化)や捕獲量の減少が要因とされています。特にアイゴはの年々の増加は実感している人も多いはずです。
  2. ウニの増殖
    ウニが過剰に増えると、藻場を食害し、「ハゲ磯」と呼ばれる状態を引き起こします。特にウニの天敵が減少すると、この現象が進行します。
  3. 環境の変化
    海水温の上昇や水質の変化(富栄養化や貧栄養化)によって、海藻の生育環境が悪化します。
  4. 陸域からの影響
    森林伐採や都市化により、陸から供給される栄養塩(窒素やリン)が不足し、海藻の成長が阻害されることがあります。

磯焼けが引き起こす問題

  1. 漁業への影響
    磯焼けが進むと、アワビやサザエなどの海藻を食料とする貝類の生息地が失われ、水産業に深刻な影響を及ぼします。
  2. 生物多様性の低下
    藻場は、多くの海洋生物にとって産卵や成長の場となる重要な生息地です。磯焼けが進行すると、それらの生物が減少します。
  3. 二酸化炭素の吸収能力の低下
    海藻は二酸化炭素を吸収する役割を果たしていますが、磯焼けによりその能力が失われると、気候変動の影響がさらに強まります。
 ちなみに磯焼けにはこのような対策方法があります↓
  1. ウニの駆除
    ウニを捕獲して個体数を減らすことで、海藻の回復を図る試みが行われています。
  2. 人工的な藻場の再生
    海藻の種苗を植え付ける方法や、藻場を復元するための人工的な構造物(例:テトラポッド)の設置が行われています。
  3. 海洋環境の改善
    森林の保護や植林活動を通じて、海へ流れ込む栄養塩を増やす取り組みも進められています。
  4. 温暖化対策
    地球温暖化の進行を抑えるため、炭素排出の削減に取り組むことも長期的には重要です。

浮きグレが発生する理由について考える

以上のpointを押さえて浮きグレの発生する理由私なりに考察しました。

ただの経験を基にした推測にすぎませんが、結論から言わせていただきます。

浮きグレの正体は、磯焼けの進行により、餌としていた海藻類が急激に減少し、餌場を失ったメジナが餌となるプランクトンを求め海面付近に群れを成して浮上してきた結果である。

これが私の推測です。

先ほどのpointと照らし合わせていきましょう。

point

・口太メジナのみで構成されている

・潮目に現れる

・高水温期に多く見られる

・年々増え続けている

・浮きグレは釣れない

・磯焼けの進行

高水温期に多くみられる浮きグレの数が年々増え続けているという事実から、浮きグレの数の増加には近年の海水温上昇が影響していると考えられます。

そこで目を付けたのが、近年海水温の上昇により深刻化している磯焼けの進行です。磯焼けの進行によりメジナの生息域である岩礁周りから海藻類が減少しメジナは餌を失う。

普段は警戒心が強く岩場の陰に身を潜めている口太メジナも餌がないために、沖の潮目に集まるプランクトンを求めて浮上するしか無くなってしまう。

浮きグレが海藻類を主食とする口太メジナのみで構成されていることも、考えると辻褄が合うように感じます。

浮きグレが釣れないというのは、餌を失い浮きグレとなったメジナは捕食対象をプランクトンに限定しているために他の餌には見向きもしないのではないかと考えられます。

浮きグレの釣り方、攻略法

先述した通り、浮きグレは基本的にオキアミは喰わないと考えられる為、浮きグレは基本釣れないものと考えるのが良いでしょう。

しかし、数が多いために、スレ掛かりの要領で口に吸い込ませたところを引っかけて釣る。という釣り方が成立するかもしれません。

狙い方は今まで言われてきた浮きグレのセオリー通りです。ウキは遠投できて浮力の強すぎないもの、仕掛けにはオモリを打たず、針も極力軽いものを使用しましょう。

群れを散らせないように、仕掛けを群れの先に投入し、ゆっくりと引き戻すように操作します。

ラインを張って引き戻しながら竿先にジワジワと重みが乗るのを待ってから合わせるのがコツです。

まとめ

実際のところ科学的に証明された先行研究が無いため、浮きグレが発生する理由はいまだ分からないというのが事実ではあります。

今回は私個人の経験則で語らせてもらいました。そこで出た結論が

浮きグレの正体は、磯焼けの進行により、餌としていた海藻類が急激に減少し、餌場を失ったメジナが餌となるプランクトンを求め海面付近に群れを成して浮上してきた結果である。

です。

浮きグレは謎が深く常にグレ釣り師を悩ます存在です。

そんなモヤモヤを今回の記事を通して少しでも整理していただけたら幸いです。

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