【完全保存版】ウキフカセ釣りの始め方!初心者がメジナ(グレ)、クロダイ(チヌ)「最初の1匹」を釣るための道具・仕掛け選びと種類・準備を徹底解説
「海釣りをしてみたいけれど、サビキ釣りだけじゃ物足りない。」 「堤防にいるあの上手な人たちみたいに、長い竿で大きな魚を掛けてみたい。」 「自分の技術で、魚との駆け引きを楽しんでみたい。」
そんなふうに思ったことはありませんか?
もしあなたが、「運任せではなく、自分の実力で魚を食わせ、ダイナミックな引きを楽しみたい」と思っているなら、フカセ釣り(ウキフカセ)こそが最高の選択肢であり、あなたの釣り人生を大きく変えるきっかけになるでしょう。

でも、フカセ釣りって道具も多いし、仕掛けも複雑そう…。お金もかかりそうで、ハードルが高いんですよね。専門用語も多いし…。

その気持ち、痛いほどわかります!私も最初は釣具屋のウキコーナーの前で「何千種類あるんだ…どれを買えばいいんだ…」と途方に暮れていましたから。
世の中には「初心者セット」も売られていますが、残念ながらフカセ釣りに関しては、適当なセット道具では「釣りにならない」ことがほとんどです。なぜなら、フカセ釣りは繊細なバランスの上に成り立つ釣りだからです。でも、安心してください。 この記事は、フカセ釣りを全く知らない初心者の方に向けて書いた、一切の手抜きなしの「完全ガイド」です。
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なぜフカセ釣りは釣れるのか?(そのメカニズム)
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現場で本当に使える道具の選び方(他サイトとは違う実践的な推奨)
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絶対に失敗しない仕掛けのバランス
これら全てを、現役の釣りブロガーである私が、どこよりも詳しく、丁寧に解説します。 特に道具選びに関しては、「とりあえずこれを買っておけ」という投げやりなものではなく、「なぜこれが必要なのか」「これを買うとどうなるのか」という理由まで深掘りしています。この記事を読み終わる頃には、あなたは迷いなく釣具を選び、週末には憧れの磯竿を振って、銀鱗輝く魚を手にしているはずです。
さあ、海と対話する至高のゲーム、フカセ釣りの世界へ飛び込みましょう!
▼この記事を読んでわかること
・道具選びの「正解」: 「1.5号竿」「2500番リール」「G5ウキ」など、初心者が最初に買うべき具体的かつ実践的なスペックを断言。
・仕掛けの真実: なぜ初心者は「全遊動」ではなく「軽い半遊動(G5)」が一番釣れるのか?図解でメカニズムを完全理解。
・釣果が変わるテクニック: 釣れる人だけがやっている「ラインメンディング(道糸操作)」と「撒き餌と同調」の極意。
・お財布に優しい裏ワザ: 釣具屋の集魚剤は高い?無料〜激安の「米ぬか」を使って、プロ並みのコマセを作る節約黄金レシピ。
・即・釣り場へ直行: 結局いくらかかる?松・竹・梅の予算別シミュレーションと、迷わず揃う「最終・買うものリスト」。
「難しそう」「何を買えばいいかわからない」という不安をゼロにし、この記事を読み終えたらそのまま釣具屋へ直行できる状態までナビゲートします。
- フカセ釣り(ウキフカセ)とは?最大の魅力
- 【準備編】フカセ釣りに必要な道具(タックル)一式
- 【必須小物】仕掛けに必要なパーツ完全解説
- 【装備編】快適&安全に楽しむためのウェア・ギア
- 【予算・コスト】初期費用はいくらかかる?
- 【シーズン表】メジナ・クロダイの釣期カレンダー
- 【エサ編】フカセ釣りのエンジン!「撒き餌(コマセ)」の黄金比
- 【実践編①】仕掛けのメカニズムと作り方
- 【実践編②】釣り場の選び方(堤防・磯)
- 【実践編③】いざ実釣!キャストから取り込みまでの完全フロー
- よくある質問・トラブルシューティング
- まとめ:フカセ釣りは「一生の趣味」になる
- 【最終チェック】これだけ揃えば今すぐ釣りに行ける!フカセ釣り「買うものリスト」
フカセ釣り(ウキフカセ)とは?最大の魅力

出典:https://www.daiwa.com/jp/special/products/24tournament_iso_ags
まずは、「そもそもフカセ釣りとは何なのか?」という基本からお話しします。ここを理解しているかどうかで、釣果に天と地ほどの差が出ます。
フカセ釣りってどんな釣り?「撒き餌」と「仕掛け」を同調させる極意
「フカセ」という言葉は、「ふかせる(漂わせる)」という言葉に由来しています。一般的な釣り(投げ釣りやサビキ釣り)は、重いオモリを使って仕掛けを海底まで「ズドン」と沈めます。しかし、魚(特にメジナやクロダイ)は非常に警戒心が強く、学習能力も高いため、不自然に沈むエサや、糸がピンと張って動きの悪いエサには、本能的に警戒して食いつきません。
そこで生まれたのがフカセ釣りです。 フカセ釣りの最大の特徴は、「撒き餌(コマセ)」と「軽い仕掛け」の連動にあります。
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寄せる(撒き餌): まず海にオキアミなどを混ぜた「撒き餌」を打ち込みます。これにより魚の警戒心を解き、エサを食べるスイッチを入れ、ポイントに魚を集めます。
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漂わせる(軽い仕掛け): そこへ、オモリを極力使わない、米粒ほどの重さしかない「軽い仕掛け」を投入します。
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同調させる(ここが重要!): 海中を漂う撒き餌の帯の中に、針のついた「付け餌」を紛れ込ませます。これを「同調(どうちょう)」と呼びます。
魚は撒き餌に夢中になっているため、その中に紛れ込んだ針付きのエサを「安全なエサ」と勘違いして迷わず食いつく。これがフカセ釣りのメカニズムです。

つまり、「魚を騙すゲーム」なんです。いかに自然に、違和感なくエサを届けるか。ここが一番の面白さであり、腕の見せ所です!
狙える魚種は無限大!メインターゲットから嬉しい外道まで
フカセ釣りで狙える魚は多岐にわたりますが、基本的には「海にいる魚ほぼ全て」がターゲットと言っても過言ではありません。
フカセ釣りの2大スター

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メジナ(グレ): 磯釣りの王様です。青い瞳と美しい魚体が特徴。掛かった瞬間に海底の岩(根)に向かって強烈に突っ込むスピードとパワーは、一度味わうと病みつきになります。
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クロダイ(チヌ): 銀色の鱗が輝く、いぶし銀の魚。警戒心が非常に強く「海の賢者」とも呼ばれます。海底付近を攻めることが多く、独特の首を振るような重量感ある引きが魅力です。
豪華なゲストたち
フカセ釣りは万能なので、本命以外にも様々な魚が釣れます。
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マダイ: 潮通しの良い堤防や磯なら、大型のマダイも射程圏内です。
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イサキ・シマアジ: 夏の美味しいターゲット。
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青物(イナダ・カンパチ): 回遊があれば、竿をひったくるような強烈な引きが楽しめます。
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根魚(カサゴ・ハタ): 仕掛けを底まで入れれば高級根魚も。
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ブダイ・アイゴなど: 強烈な引きを見せる磯のファイターたち。
一度味わうと抜け出せない!フカセ釣りの5つの魅力

https://fish.shimano.com/ja-JP/product/rod/isobouhatei/uwamono/a075f000047ji7jqaa.html
なぜ、多くの釣り人が何万円もの高級竿を持って、雨の日も風の日も海に通うのか。その理由は、他の釣りでは決して味わえない深い魅力があるからです。
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ウキが消し込む「至高の瞬間」 ゆらゆらと海面に浮いていたオレンジ色のウキが、一瞬で「スパッ!」と海中に消し込むアタリ。あの視覚的な興奮は、脳内麻薬が出るレベルです。
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パズルを解くようなゲーム性 「潮が右に流れているから、撒き餌はあそこに打って、仕掛けはここに入れよう…食った!」という、自分の読みが当たった時の快感はたまりません。
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ダイナミックな「竿の曲がり」 5メートルを超える長くしなやかな「磯竿」が、満月のように根本から曲がる美しさ。魚の引きを竿全体で受け止めるやり取りは、釣り人の特権です。
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ロケーションの非日常感 荒々しい磯場、広大な堤防。目の前に広がる大海原。日常の喧騒を離れ、波の音だけが聞こえる空間で糸を垂らす、圧倒的な没入感と癒やし。
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一生楽しめる奥深さ 同じ釣り場でも、日によって潮も風も違います。飽きることがなく、初心者からベテランまで一生かけて追求できる趣味になります。フカセ釣りは全国レベルのトーナメントも各メーカーで開催されており、日々技術を磨き続ける猛者もいます。
【準備編】フカセ釣りに必要な道具(タックル)一式
さあ、ここからが具体的な準備編です。 「種類が多すぎて何を買えばいいかわからない」という方のために、「初心者が最初に買うべき間違いないスペック」を断言して紹介します。

安すぎる道具はトラブルの元になりやすく、逆に高すぎる道具は初心者には扱いづらかったりオーバースペックであることもあります。ここでは「コスパ最強」かつ「長く使える」アイテムを厳選しました!
ロッド(磯竿)の選び方

フカセ釣りでは「磯竿(いそざお)」と呼ばれる竿を使います。ルアーロッドなどに比べて非常に長く、継ぎ数が多く、非常にしなやかで柔らかいのが特徴です。
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号数(硬さ): 1.25号〜1.5号 がベスト。
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1号: 柔らかすぎて、大きな魚が掛かった時のコントロールが難しく、重い仕掛けも投げにくいです。
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2号: 重くて一日持っていると疲れますし、感度が落ちます。
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1.25号 or 1.5号: 30cmのメジナから50cmのクロダイ、不意の大物まで対応できる、最もバランスの良い「万能な硬さ」です。
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長さ: 5.3m(530) が基本。
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「長いな!」と思うかもしれませんが、足場の高い堤防や磯で海面まで仕掛けを正しく操作するため、そして魚を掛けた時に岩に糸が擦れるのを防ぐために、この長さが不可欠です。
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磯竿選びの詳細はこの記事で詳しく解説しているのでぜひ合わせてお読みください↓

▼初心者におすすめの1本
【シマノ】ホリデー磯 1.5号 530 「迷ったらこれを買っておけば間違いありません」と言える、入門ロッドの決定版。軽さ、丈夫さ、価格のバランスが最高です。カーボン含有率も適切で、折れにくいのも初心者には嬉しいポイント。
【ダイワ】リバティクラブ 磯風 1.5号-53 シマノと双璧をなすダイワの入門機。「ブレーディングX」という補強が入っており、見た目も高級感があります。
リール(スピニングリール)の選び方
竿の操作性に関わる重要パーツです。
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サイズ: 2500番 または 3000番
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道糸2.5号が150m巻け、竿とのバランスが良いサイズです。
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ギア比: ハイギア(HG)
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仕掛けの回収や、糸フケの処理が素早く行えるため、釣りの効率が上がります。
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予算があれば「レバーブレーキリール」がおすすめ

フカセ釣りには、レバー操作で糸を出し入れできる専用の「レバーブレーキリール(LBD)」があります。
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メリット: 魚が突っ込んだ瞬間にレバーを緩めて糸を出し、竿の体勢を立て直せる。これぞフカセ釣りの醍醐味であり、大型魚を獲るための強力な武器です。
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デメリット: 価格が高い(2万円〜)。
結論: 必須ではありません。最初は安価なドラグ付きリールでも十分釣りになります。 しかし、「最初から本格的にやりたい」「予算に余裕がある」なら、最初からレバーブレーキを買うのが正解です。後で絶対に欲しくなるからです。
レバーブレーキリールに関してはこちらの記事で詳しく解説しています↓

▼コスパ重視(ドラグ付き) 【シマノ】ナスキー C3000HG / 【ダイワ】レブロス LT3000-CH 実売1万円以下で耐久性も十分。最初の1台に最適です。
▼本格派(レバーブレーキ) 【ダイワ】シグナス LBD / 【シマノ】BB-X ラリッサ エントリークラスのLBDリール。ここからフカセ沼が始まります。
道糸(メインライン)

https://www.daiwa.com/jp/special/products/24tournament_iso_ags
リールに巻くメインの糸です。フカセ釣りではPEラインではなくナイロンラインを使います。
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号数(太さ): 1.5号 〜 2.0号
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太すぎると風の影響を受けやすく、細すぎると切れるリスクがあります。初心者はトラブルレスな1.75号から始めると安心です。
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タイプ: サスペンド(またはセミフロート)
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水面直下を漂うタイプです。風の影響を受けにくく、仕掛けの馴染みが良いので初心者向けです。色は視認性の良い「オレンジ」や「イエロー」を選びましょう。
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▼おすすめの道糸 【サンライン】磯スペシャル ビジブルトマト とにかく見やすい!糸がどこにあるか分からないと釣りにならないフカセ釣りにおいて、この視認性は最強の武器です。
【必須小物】仕掛けに必要なパーツ完全解説
竿とリールだけではフカセ釣りはできません。ここから紹介する「小物」こそが、フカセ釣りの心臓部であり、釣れるか釣れないかを分ける最重要ポイントです。多くの初心者サイトでは「とりあえずセットを買おう」と書かれていますが、それは間違いです。 ここで紹介するものをバラで揃えることが、上達への最短ルートです。
ウキ(円錐ウキ・中通しウキ)

仕掛けを飛ばし、アタリを知らせるアイテム。フカセ釣りではドングリのような形をした「円錐ウキ」が一般的です。ここで、多くの入門書やサイトでは「初心者はBや2Bなどの重めのウキから始めよう」と書いてあります。 しかし、私はあえてその常識を否定します。

初心者が最初に揃えるべきは、G5やG3といった「軽いウキ」です。
なぜなら、Bや2Bといった重いオモリをつけないと沈まないウキは、仕掛け全体が重くなり、海中で不自然な動きをしてしまいます。これでは魚が食いません。 逆に、G5やG3を使った軽い仕掛けは、潮の流れに自然に馴染み、魚に違和感を与えずに口を使わせることができます。つまり、「軽い仕掛けのほうが圧倒的に釣れる」のです。
揃えるべきサイズ(浮力):
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G5(またはG3): メインで使用。凪の日や少しの流れならこれで勝負します。最も釣果が出やすいです。
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B: 風が強い時や、潮が速い時の予備として持っておきます。
- 3B以上は? 初心者のうちから3Bを使わないと釣りが成立しないような暴風・激流の日は、そもそもトラブルが多発して釣りになりません。「3Bが必要な状況なら、釣り場を変えるか、その日は諦めて帰る」という判断のほうが賢明です。
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さらに上を目指すなら: 予算に余裕があれば、「0号」や「00号」も揃えたいところです。これはオモリを使わずに仕掛けの重さだけで沈めていく「全遊動(全層)釣法」に使います。初心者のうちからこの感覚を覚えると、上達スピードが劇的に早くなります。
▼おすすめのウキ 【釣研】/ 【デュエル】TGウェーブマスター これらは1000円前後で買える中価格帯のウキですが、塗装が強く、浮力の精度が高いです。安物のウキは浮力がバラバラで練習になりません。まずは「G5」と「B」を1個ずつ買いましょう。
その他の詳しいおすすめウキ・選び方については以下の記事をお読みください↓

ウキ止め・シモリ玉
これは「半誘導仕掛け(基本の仕掛け)」を使う際に必要で、ウキの上の道糸に通すパーツです(仕掛けの詳細は後ほど解説)。これらのパーツがあることによって、仕掛けを狙いたい水深にキープすることができるようになります。
潮受けゴム(からまん棒)
ウキの下に付ける小さなパーツです。「ウキストッパー」とも呼ばれます。
- 絡み防止: ウキと針が絡むのを防ぎます。
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潮を受ける: ウキよりも下の潮の流れを掴み、仕掛けをポイントへ運んでくれます。
視認性の高いイエローやオレンジのものを選びましょう。
ハリス

道糸の先に結ぶ、針を結ぶための透明な糸です。根ズレに強いフロロカーボンラインを使います。ハリスは魚に一番近い糸であり、「釣果に直結する」極めて重要なパーツです。ここをケチると、食いが悪くなったり、せっかくの大物をバラしたりして泣くことになります。
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号数: 1.5号
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道糸(1.5号〜2.0号)よりも細いものを使うのが一般的です。初心者はあれこれ迷わず、まずは1.5号を揃えておけば、メジナもクロダイも問題なく対応できます。
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選び方: 「安くて太い」ものではなく、「高くて細くて強い」ものを選んでください。しなやかさが全く違います。ここは少しお金をかけるべきポイントです。
▼おすすめのハリス
【シーガー】エース1.5号 少し値が張りますが、強度は最強クラス。しなやかで魚に違和感を与えません。「ハリスだけは良いものを使え」というのは、ベテラン釣り師の共通認識です。
【サンライン】スパートルネード 1.5号 日本を代表する釣り糸メーカーサンラインの高コスパモデル。
ガン玉(オモリ)
ウキの浮力を調整し、エサを沈めるための小さな噛み潰しオモリです。 フカセ釣りでは、状況に合わせてこのオモリを付けたり外したり、位置を変えたりする「微調整」が釣果を分けます。「セットの安いオモリ」ではなく、ゴム張りや精度の高いものをサイズ別に揃えておく必要があります。
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絶対に揃えておきたいサイズ:
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G5: 基準となるサイズ。G5のウキにはG5のオモリを打ちます。
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G8: 米粒より小さなオモリですが、これをハリスに打つことで仕掛けに「張り」を作り、アタリを出しやすくします。超重要です。
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B: 風が強い時用。
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あると便利なサイズ:
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G3: G5とBの中間。
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2B / 3B / 5B: チヌ(クロダイ)狙いで底まで一気に沈めたい時や、急流ポイント用。
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結論: 少なくとも、「G8、G5、B、2B」の4種類は必ずケースに入れておいてください。
▼おすすめ
ハリ(グレ針・チヌ針)

魚の口に掛かる部分です。
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グレ針: 軸が短く軽量で、魚が吸い込みやすい形状。万能に使えます。5号〜6号が標準。
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チヌ針: 軸が太く頑丈。「ヒネリ」が入っていることが多く、一度掛かるとバレにくい。クロダイ狙いやエサ取りが多い時に。2号〜3号が標準。
最初はメジナ狙いなら「グレ針の6号」があれば、メジナやクロダイ、その他の外道にも対応できます。クロダイ狙いならチヌ針の2号がおすすめです。
【装備編】快適&安全に楽しむためのウェア・ギア
釣り竿以外にも、フカセ釣りには特有の装備が必要です。これらは単なるファッションではなく、「安全」と「効率」のための機能装備です。詳細に解説します。
ライフジャケット(フローティングベスト)

命を守る最重要アイテムです。 フカセ釣り師が着ている、ポケットがいっぱい付いたベストのことです。ウキフカセ釣り、特に磯で釣りをする場合は「ベストタイプ」を選ぶようにしましょう。膨張式の物もよく見かけますが、磯場では破損のリスク、転倒時のクッションという意味でも危険があります。
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なぜベストタイプなのか?
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浮力材入り: 万が一海に落ちた時に、体を浮かせてくれます。股紐(またひも)を必ず通して着用してください。
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圧倒的な収納力: フカセ釣りは、ウキ、ガン玉、ハリス、針、ハサミなど、使う小物が非常に多い釣りです。これらをベストのポケットに整理して入れておくことで、釣り座から動くことなく、手元ですべての作業が完結します。これが「手返し(効率)」を良くし、釣果に繋がります。
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選び方のポイント: ポケットの配置が使いやすいもの、そして汚れても洗いやすい(浮力材が取り外せる)タイプがおすすめです。
詳しくはこちらの記事をお読みください!磯釣りのフローティングベストの選び方を初心者目線で丁寧に解説しています↓

▼おすすめ 高機能なのにリーズナブル。最初の1着に最適です。
磯靴(スパイクシューズ)

足元の安全確保も必須です。釣り場が堤防であれば、動きやすいスニーカーなどでも問題ありませんが、磯場で釣りをする場合はスパイクシューズの着用が必須です。
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スパイクシューズ: 金属のピンが出ているタイプ。磯場やゴツゴツした岩場でグリップ力を発揮します。
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フェルトスパイクシューズ: フェルト底の中にピンが入っているタイプ。滑りやすい堤防やテトラ帯で最強のグリップ力を発揮します。初心者が堤防メインでやるなら、このタイプが万能です。
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注意: 普通のスニーカーは、濡れた磯場では非常に危険です。必ず専用のシューズを用意しましょう。
磯靴(磯スパイクシューズ)について詳しく解説している記事がこちらにありますので合わせてお読みください↓

タモ網(玉の柄+タモ枠)

フカセ釣りでは竿が長くて柔らかいため、魚を「抜き上げる(空中に持ち上げる)」ことができません。無理に上げると竿が折れます。大きな魚が掛かったら、網ですくう(タモ入れする)必要があります。
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長さ: 6mがおすすめ
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堤防は満潮時は低くても、干潮時は水面まで5,6m近くあることが多いです。短いと魚まで届かず、絶望することになります。
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シャフト(柄)の硬さ:
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安すぎるタモの柄は、伸ばした時にベヨンベヨンにたわんでしまい、操作性が最悪です。ある程度「張り(硬さ)」のあるものを選びましょう。
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玉の柄についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓

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枠の大きさ: 直径40cm〜45cm
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小さすぎても大きすぎても扱いづらいので、直径40cm程度のものを選ぶようにしましょう。
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タモ枠のおすすめ商品はこちらの記事で詳しく解説しています↓

▼おすすめの磯タモ網セット
バッカン・撒き餌杓(ヒシャク)

フカセ釣りのエンジンである「撒き餌」を扱う道具です。
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バッカン(エサ入れ): 撒き餌を入れるための四角い容器です。
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サイズ: 40cmがおすすめ。小さいと混ぜにくいので、このサイズが標準です。
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タイプ: 「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」がありますが、初心者は型崩れせず、マキエを圧縮しやすい「ハードタイプ」または「セミハード」を選んでください。
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バッカンの詳しい選び方についてはこちらの記事をお読みください↓

▼おすすめのバッカン
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撒き餌杓(ヒシャク): 撒き餌を遠くに投げるためのスプーン。
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長さ: 70cm以上あるものを選んでください。短いと遠心力が使えず、遠くに飛びませんし、疲れます。おすすめは70cmサイズです。
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カップ: 小さめのカップ(Sサイズ)のほうが、コントロール良く投げられます。カップはチタン製がおすすめです。
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詳しくはこちらの記事をチェック↓

▼おすすめ柄杓
柄杓を使う際にあった方が良い道具として「ヒシャクホルダー」があります。ヒシャクホルダーはバッカンに取り付けるもので、ホルダーに海水を入れることによってヒシャクのカップは常に濡れている状態を保つことができます。そうすることでカップに撒き餌がこべり付かず餌離れが良いので、遠投に有利になります。
ヒシャクホルダーがない場合は、海水の入った水くみバケツにヒシャクを浸しておくという方法もあります。
偏光グラス

海の中を見るためのサングラスです。これがあるのとないのとでは、得られる情報量が10倍違います。
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メリット:
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水面の反射(ギラつき)をカットし、ウキの目盛りがくっきり見える。
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海中の「沈み根」や「潮の流れ」が見えるようになる。
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撒き餌に群がる魚の姿や、エサ取りの状況が目視できる。
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レンズカラーの選び方:
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ブラウン/レッド系: コントラストがはっきりし、ウキや魚の魚影が見えやすい。フカセ釣りにはベストなカラーです。
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グレー系: 自然な色合いで見え、疲れにくい。晴天時に向いています。
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最初は数千円のエントリーモデルでも良いので、必ず用意しましょう。釣りが劇的に上手くなります。
【予算・コスト】初期費用はいくらかかる?
「結局、全部揃えたらいくらなの?」 ここが一番気になりますよね。予算別に3つのコースをシミュレーションしました。
1. とにかく安く始める「お試しコース」(約25,000円〜)
「続くかわからないから、最初は最低限で」という方向け。
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竿・リール:セット品やワゴンセール品を活用
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小物:必要最低限
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ウェア:手持ちの動きやすい服(ライフジャケットは安価なものを購入)
2. コスパ重視!長く使える「スタンダードコース」(約50,000円〜)
イチオシ! 今回記事で紹介したような「シマノ・ダイワのエントリーモデル」で揃えるコース。 性能は十分で、壊れにくく、数年は買い換える必要がありません。もし釣りを辞めることになっても、有名メーカー品はメルカリ等で高く売れるので、実質的なコストは低いです。
3. 形から入る「本気コース」(100,000円〜)
最初からミドルクラス以上の道具(BB-Xシリーズなど)や、ゴアテックスのウェアを揃えるコース。 釣りの快適さが段違いですが、ハマらなかった時のダメージも大きいです。

最初は「スタンダードコース」を目指しつつ、バッカンや杓などの周辺小物は安いもので済ませてバランスを取るのが賢い買い方です。何より大事なのは、竿とリールの基本性能と、身を守る安全装備です!
【シーズン表】メジナ・クロダイの釣期カレンダー
まずは全体の流れを把握しましょう。地域やその年の水温によって前後はしますが、おおよその目安となります。
【記号の見方】
◎=ベストシーズン(釣果が出やすく、大型も狙える)
○=レギュラーシーズン(十分に楽しめる)
△=オフシーズン(難しい、またはエサ取りが多い)
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| メジナ (グレ) | ◎ | ◎ | ○ | ○ | △ | △ | △ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| クロダイ (チヌ) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
| 季節の目安 | 冬 (寒グレ) | 春(乗っ込み) | 梅雨 (エサ取り増) | 夏 (高水温) | 秋 (数釣り) | 冬 |
メジナ(グレ)のシーズン特徴
メジナは基本的に「冬の魚」です。水温が下がる時期に最も輝きます。
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秋(10月〜11月):数釣りのベストシーズン
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水温が適度に下がり、魚の活性が非常に高くなります。30cm前後の「中型」が数多く釣れる時期で、入門者には最もおすすめです。アタリも明確で楽しい時期です。
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冬(12月〜2月):「寒グレ」の本格シーズン
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水温が低下し、エサ取り(小魚)が減ります。寒さに耐えて脂が乗った、寒グレと言われる40cmオーバーの大型メジナが狙える時期です。味も最高です。ただし、人間にとっては寒さとの戦いです。
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春(3月〜4月):産卵シーズン
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産卵を控えた神経質な時期。食いが渋くなることもありますが、一発大物のチャンスもあります。
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夏(6月〜9月):修行の時期(エサ取り地獄)
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高水温で、スズメダイや小サバなどの「エサ取り」が大量発生します。撒き餌を打つと海面が真っ黒になるほどで、本命のメジナまでエサを届けるのが非常に難しくなります。
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クロダイ(チヌ)のシーズン特徴
クロダイはメジナよりも高水温・低水温への適応力が高く、ほぼ一年中狙えるターゲットです。特に「春」と「秋」に大きな山場があります。
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春(3月〜5月):「乗っ込み(のっこみ)」シーズン
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クロダイ釣り師が最も熱くなる時期です。産卵のために深場から浅場(堤防の近くなど)に、大型のクロダイが群れでやってきます。一年で一番、大型が釣りやすい時期です。
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夏(6月〜8月):高活性だがエサ取りも多い
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魚の元気は良いですが、メジナ同様にエサ取りに悩まされる時期です。サナギやコーンなど、エサ取りに強いエサを使う工夫が必要です。
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秋(9月〜11月):「落ちチヌ」シーズン
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冬に備えてエサを荒食いする時期です。中型〜大型まで数釣りが楽しめます。気候も良く、春と並ぶベストシーズンです。
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冬(1月〜2月):我慢の時期
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水温が下がりきると、深場へ落ちてしまいます。釣れればデカイですが、アタリは非常に小さく、テクニカルな釣りになります。
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初心者はいつ始めるのがベスト?
ズバリ、「秋(9月下旬〜11月)」がおすすめです!
理由:
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気候が良い: 暑すぎず寒すぎず、快適に釣りができます。
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魚の活性が高い: メジナもクロダイも、その他の美味しい外道(アジやイサキなど)もよく釣れます。
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難易度が低い: 魚が素直にエサを食ってくれるので、難しいテクニックがなくてもウキが沈むアタリを楽しめます。
まずは秋の堤防でデビューし、フカセ釣りの楽しさを知ってから、冬の磯や春の乗っ込みに挑戦していくのが理想的なステップアップです。
【エサ編】フカセ釣りのエンジン!「撒き餌(コマセ)」の黄金比

フカセ釣りにおいて、撒き餌は「魚を寄せる」だけでなく、「魚の活性を上げる」「仕掛けを運ぶ」「エサ取りを分離する」という多才な役割を持ちます。 適当に混ぜるのではなく、戦略的にブレンドしましょう。
基本の「3kgオキアミ」と集魚剤の選び方

フカセ釣りのベースとなるのは、冷凍ブロックで売られている「オキアミ」です。
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オキアミの量: 半日(5〜6時間)の釣りなら「3kg板(1枚)」が標準です。 1.5kgでは足りず、撒き餌が切れた時点で釣り終了となってしまいます。3kg版を用意することをおすすめします。
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解凍のコツ: 釣行の前日に電話で釣具屋の「解凍予約」をしておくか、買う時に半解凍のものを選びましょう。カチカチだと混ざりません。
初心者におすすめの集魚剤(配合エサ)

オキアミだけでは遠投ができず、拡散もしません。ここに粉末の「集魚剤」を混ぜます。
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マルキュー「グレパワーV9(徳用)」: フカセ師のド定番。赤色の煙幕で視認性が良く、メジナを浮かせて釣るのに最適です。何を買うか迷ったらとりあえずコレ。
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マルキュー「チヌパワー」シリーズ: クロダイ(チヌ)狙いなら、重比重で底に溜まるチヌ用を選びましょう。

基本レシピは、「オキアミ3kg + 集魚剤2袋 + 海水適量」です。これでバッカン半杯分の十分な量が作れます。釣りが上達して手返しがはやくなったり、餌を多く消費する夏時期はこれでは足りない場合もありますのでそのときに合わせて量を調節しましょう。
エサ作り(コマセ作り)に欠かせない3つの道具
撒き餌(コマセ)を作る際、ただバッカンがあれば良いというわけではありません。 オキアミを砕き、集魚剤と均一に混ぜ合わせ、水分量を調整する。この作業を快適に行うための「三種の神器」があります。これらが無いと、手が汚れてベトベトになったり、冬場は手が凍えて感覚が無くなったりしてしまいます。必ず揃えておきましょう。
1. マゼラー(コマセミキサー)

カチコチに凍ったオキアミブロックをザクザクと砕き、集魚剤と混ぜ合わせるための専用ツールです。
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なぜ必要なのか?
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砕く力: スプーンのような形状や、刃が付いている形状をしており、硬いオキアミを簡単に粉砕できます。
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手が汚れない・冷たくない: これが最大のメリットです。素手で混ぜると匂いが取れなくなりますし、冬の水道水より冷たいオキアミを触り続けるのは拷問です。
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選び方: グリップが太くて力が入りやすく、先端が金属製の丈夫なものを選びましょう。安価なプラスチック製は、硬いオキアミを砕く時に折れることがあります。
▼おすすめ
2. 水汲みバケツ(水汲みバッカン)

海水を汲んで、コマセに水分を足したり、汚れた釣り座を洗い流したりするための、ロープ付きのバケツです。
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選び方:
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ロープの長さ: 堤防や磯は海面まで高さがあることが多いので、ロープは8m〜10mあるものを選びましょう。
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オモリ付き: バケツの縁にオモリが入っているタイプだと、海面に落とした時に勝手に傾いて水が入るので、水汲みが圧倒的に楽になります。
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3. サシエ入れ(エサバコ)

針に付ける「付け餌(オキアミ)」を入れておく小さな箱です。バッカンの縁にパチンと挟んで固定できます。
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なぜ必要なのか?
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鮮度キープ: 付け餌が乾いてしまうと、食いが極端に悪くなります。蓋付きのサシエ入れに入れて乾燥を防ぎます。
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手返しアップ: バッカンの外側にセットすることで、腰を屈めずに素早くエサを付けられ、スムーズな釣りができます。
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断熱構造がおすすめ: 夏場はエサが煮えてしまうので、断熱材が入った「サーモタイプ」だと、エサの鮮度が長持ちして釣れる時間が伸びます。
【節約術】コスパ最強!「米ぬか撒き餌」のすすめ

ここが本記事の裏ワザポイントです。 メーカー製の集魚剤は1袋500円〜1000円ほどします。毎回使うのはお財布に痛いですよね。そこで登場するのが「米ぬか」です。 コイン精米機に行けば「無料」または「数十円」で手に入ります。実はこれ、最高の増量材であり、集魚剤なんです。
なぜ「米ぬか」が良いのか?
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圧倒的な安さ: ほぼタダです。
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濁り(煙幕): 海中に入れると白く煙幕状に広がり、魚の警戒心を解きます。
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拡散性: 比重が軽いため、表層でパッと広がり、潮の流れに乗せやすいです。
- まとまりの良さ:オキアミにこれを混ぜるだけで餌全体がまとまり、粘り気を持ち遠投しやすくなります。
isoginpo流「米ぬかコマセ」黄金レシピ
集魚剤を半分に減らし、その分を米ぬかとパン粉で補う「ハイブリッド・節約レシピ」です。
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オキアミ: 3kg(1枚)
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市販の集魚剤: 0.5袋(残りは次回使う)
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米ぬか: 3kg(スーパーの袋1つ分くらい)
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パン粉: 1kg(スーパー、釣具屋などで激安で買う。粘りとカサ増し効果)
作り方:
1.オキアミをスコップで細かく砕く(原形を残す粒と、汁にする部分を分けるイメージ)。

2.パン粉、海水を少し加え混ぜる。(パン粉は水をよく吸うので、最初に入れてオキアミの濃縮液を十分に吸わせておく)

3.集魚剤、米ぬかを入れ、徐々に海水を入れながらムラが無くなり粘り気がなくなるまで混ぜ合わせる。

※重要: 海水は「少しずつ」足す。一気に入れるとベチャベチャになり、遠投できなくなります。「耳たぶくらいの硬さ」を目指して調整します。
付け餌(サシエ)の選び方

針に付けるエサです。撒き餌の3kg板オキアミの中に入っているオキアミを拾って付けるのが基本です。撒き餌を作る前に十分な量を餌箱にとっておきましょう。余裕があれば、専用のパックに入った「加工オキアミ」を買うのがおすすめです。餌持ちがよく扱いやすくなります。
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生タイプ: 食い込み抜群だが、エサ持ちが悪い。
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ハード(ボイル・半ボイル)タイプ: 身が硬く、エサ取りに強い。針から落ちにくい。
初心者は、撒き餌に使う「生オキアミ」、「市販のハード加工されたMサイズ」を1パック用意しましょう。
【実践編①】仕掛けのメカニズムと作り方
道具編で揃えたパーツを、どのような順番でセットするのか。そして、なぜその仕掛けにするのかを解説します。
【徹底解剖】「半遊動」vs「全遊動」!初心者の最適解はこれだ
フカセ釣りには、大きく分けて2つの流派(仕掛けのスタイル)があります。 「半遊動(はんゆうどう)」と「全遊動(ぜんゆうどう)」です。釣具屋やネット記事では「初心者は重い半遊動(Bや3B)がいい」「いや、今は全遊動(0号)が主流だ」と意見が割れており、混乱する原因になっています。それぞれメリット・デメリットがありますが、初心者の方には何がなんだかわからないですよね。
結論から言います。 初心者は迷わず「軽いオモリ(G5〜B程度)を使った半遊動仕掛け」を選んでください。なぜなのか?それぞれの仕組みを理解すれば、その理由が明白になります。
そもそも「遊動(ゆうどう)」ってなに?
リールから出た道糸が、ウキの穴の中をスルスルと通り抜ける仕組みのことです。 これにより、仕掛けを投入した後、ウキは水面に浮いたまま、エサだけが深く沈んでいくことができます。この「エサが沈む深さ」をどう管理するかで、呼び名が変わります。
【図解1】半遊動(はんゆうどう)仕掛け
〜深さ(タナ)を決めて狙い撃つ〜
「半誘導仕掛け」とは、道糸に「ウキ止め糸」というストッパーを結び、ウキがそれ以上上がらないようにする仕掛けです。
【仕組みのイメージ】
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仕掛けを投げる。
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エサが沈んでいく(道糸がウキの中を通っていく)。
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あらかじめ設定した深さ(例:3メートル)まで沈むと、「ウキ止め糸」がウキの頭にカチンと当たる。
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そこでエサの沈下ストップ。

エサは水深3メートルをキープして漂う。
メリット:
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アタリが明確: 魚が食うと、ダイレクトにウキが沈むので分かりやすい。
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再現性がある: 「さっき竿1本の深さで釣れたから、同じ深さを流そう」と同じ状況を再現できる。
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デメリット:
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タナ(深さ)がズレていると釣れない: 魚が水深5mにいるのに、ウキ止めを3mにセットしていたら、エサは魚の頭上を通り過ぎるだけで釣れない。
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【図解2】全遊動(ぜんゆうどう・全層)仕掛け
〜表層から海底まで全てを探る〜
「ウキ止め糸」を付けない、もしくはウキ止めが抜けるような特殊なウキ(0号や00号)を使う仕掛けです。
【仕組みのイメージ】
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仕掛けを投げる。
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エサが沈んでいく。
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ストッパーがないので、エサはどこまでも沈んでいく。
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表層→中層→底と、すべての深さをエサが通過する。

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メリット:
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魚のいる層が分からなくても釣れる: 勝手に仕掛けが沈んでいくので、いつか魚の目の前を通過する。
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違和感が少ない: ウキの中を道糸が通り抜けるので、魚がエサをくわえて走っても抵抗を感じにくい。
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デメリット:
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初心者には「何をしているか分からない」: 今、エサが水面直下にあるのか、底にあるのかイメージできない。
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根掛かり地獄: 放っておくと海底の岩に引っかかる。
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アタリが分かりにくい: ウキが沈まないことも多く、道糸の動きでアタリを取るなどの高度な技術が必要。
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全誘導仕掛けについてもっと詳しく知りたい方はこの記事で詳しく解説しているので、合わせてい読みください↓

なぜ初心者は「軽い半遊動」が最強なのか?
ここまで読むと、「全遊動の方が、タナを合わせなくていいから楽じゃない?」と思うかもしれません。しかし、そこには落とし穴があります。フカセ釣りで一番大事なのは、「自分のエサが今どこにあるか把握すること」と「アタリを目で見て楽しむこと」です。全遊動は「迷子」になりやすいのです。
そこで、「半遊動」の分かりやすさと、「全遊動」の食わせやすさをいいとこ取りしたのが、私が推奨する「軽い半遊動仕掛け」です。
多くの入門書が間違っている「重い半遊動(3B)」の罠
よくある入門書には「初心者は3Bのウキを使え」と書いてあります。 3Bの大きなオモリ(ガン玉)をつけると、確かに仕掛けは投げやすいし、ストンと沈みます。しかし…
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海中の状態: 重いオモリに引っ張られ、道糸がピンと張り詰め、エサが不自然に垂れ下がります。
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魚の反応: 「なんだこのエサ、動きが変だし、引っ張られるぞ?」と警戒して吐き出します。
正解は「G5(軽い)半遊動」
G5という、米粒より軽いオモリを使った半遊動仕掛けならどうなるでしょう?
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自然な落下: オモリが軽いので、エサはゆっくり、ユラユラと自然に落ちていきます。
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明確なアタリ: ウキ止めがあるので、魚が食えば確実にウキが沈みます。
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タナの把握: ウキが立ったら「あ、今設定した深さに届いたな」と分かります。

結論:このセッティングで始めよう
初心者が最初に組むべき、「釣果への最短ルート」となる仕掛け図はこれです。
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ウキ: G5(円錐ウキ)風が強いときはBでもよい。
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ウキ止め: あり(まずは水面から3m〜4mの位置に付ける)
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ガン玉: G5(ハリスの真ん中に打つ)
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口オモリ(重要): ハリスの真ん中(ハリから75cmくらいの距離)、極小の「G8」ガン玉を打つ。

この「軽い半遊動」をマスターすれば、メジナもクロダイも、面白いように釣れます。 「全遊動」は、この釣りに慣れて、さらにレベルアップしたくなってから覚えれば十分です。まずは、ウキが沈む興奮を味わってください!
【図解】仕掛けのセット手順と最強ノット
半誘導仕掛けの道糸から針まで、以下の順番でパーツを通していきます。

【上から順に】
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ウキ止め糸: 道糸に結びます。これでウキが止まる位置(タナ)を決めます。
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シモリ玉(小): ウキ止め糸がウキの穴をすり抜けないようにするストッパーを通します。
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円錐ウキ(G5): 糸を通します。
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潮受けゴム(からまん棒): ハリスとの直結部分のすぐ上くらいの位置にセット。
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直結 または サルカン: 道糸とハリスを繋ぎます。
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※サルカン(極小)を使うと糸ヨレが取れるので初心者にはおすすめ。慣れてくればサルカンなどのパーツを使わずに直接結ぶようにしましょう。
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ハリス(1.5号): 3メートル(2ヒロ)とります。
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ガン玉(G5): からまん棒(ウキストッパー)のすぐ下あたりに打ちます。
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針(グレ針6号): ハリスの先端に結びます。
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ガン玉(G8): ハリスの真ん中くらいに打ちましょう。これがあると仕掛けがピンと張り、アタリが出やすくなります。
覚えておくべきノット(結び方)
動画サイトなどで以下の2つだけは必ず検索してマスターしてください。
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クリンチノット(またはユニノット): サルカンや針の環に糸を結ぶ時に使います。簡単で強度も十分です。
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外掛け結び(または内掛け結び): 針に糸を結ぶ基本です。
【実践編②】釣り場の選び方(堤防・磯)
どこで竿を出すか。場所選びで釣果の50%が決まります。
1. 堤防(波止)

初心者にとって最もエントリーしやすい場所です。全体的に水深は5m以上の釣り場が良いです。
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狙い目:
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堤防の先端: 潮通しが一番良く、魚の回遊も多い一級ポイント。ただし競争率は高いです。
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テトラポット周辺: 魚の隠れ家になっています。ただし足場が悪いので、必ず滑らない靴とライフジャケットを着用し、無理に乗らないこと。
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ケーソン(継ぎ目): 堤防の壁の継ぎ目や変化のある場所には魚が付きます。
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2. 地磯(じいそ)

https://www.daiwa.com/jp/special/products/24tournament_iso_ags
陸続きで行ける磯場です。魚影の濃さは堤防の比ではありません。水深は3m以上、5m以上あえばなお良いです。
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注意点:
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スパイクシューズとライフジャケットは絶対必須です。
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波が高い日は絶対に近づかないでください。
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初めての場合は、経験者に同行してもらうのが安全です。
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3.沖磯

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渡船で渡る沖に浮かぶ磯釣り場。沖の孤島に位置するので危険性も高く、渡船を利用するので、料金のハードル、予約などのハードルもあり初心者にはあまりおすすめできません。しかし、魚影は抜群に濃い事が多いので経験者が周りにいる場合は連れて行ってもらうと良いでしょう。
釣り場の狙うべきポイント
潮目
場所に関わらず、海面にできる「潮目」(違う流れがぶつかって、泡やゴミが帯状に溜まっているライン)は最高のポイントです。ここは撒き餌が溜まりやすく、それを狙うメジナやチヌが当然集まります。また、仕掛け(ウキ)も潮目に留まるので、コマセとの同調も自然とできてしまいます。
サラシ
サラシは沖からくる波が足元の磯際などに跳ね返り白い泡が立つ場所のことを言います。波が強くサラシが強すぎると仕掛けが安定せず釣りになりませんが、適度なサラシは魚の警戒心を軽減し、潮目を作り出すので高ポイントとなります。サラシを狙う場合は重めのオモリを打った半誘導仕掛けで狙ってみましょう。
磯際・沈みね・ハエ根
フカセ釣りのターゲットである魚(特にグレ)は、根(魚の居着く岩場)の際を好みます。そのため、足元の「磯際」、磯際から沖に伸びる「ハエ根」、海底に沈む「沈みね」などは磯魚の好ポイントとなります。足元から水深のある釣り場は、磯際を、海底の根が目視できる場合は、その付近を狙ってみると釣果が伸びます。
メジナ(グレ)釣りの磯際狙いの詳しい狙い方はこの記事を参考にしてください↓

【実践編③】いざ実釣!キャストから取り込みまでの完全フロー

https://www.daiwa.com/jp/special/products/24tournament_iso_ags
さあ、釣り場に立ちました。ここからの動作の一つ一つが釣果に繋がります。 特に「ラインメンディング」は、この記事で一番重要なテクニックです。
STEP 1:ポイントを決めて「撒き餌」を打つ(先打ち)
仕掛けを入れる前に、まず撒き餌を打ちます。
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足元に打つ: まず足元に3〜5杯打ちます。これはエサ取り(スズメダイやフグ)を足元に釘付けにするためです。
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沖のポイントに打つ: 本命(メジナ・チヌ)を狙いたい場所(潮目やシモリの際)に1〜2杯打ちます。
STEP 2:キャスト(投入)
沖の撒き餌を打った場所より、「さらに奥(潮上)」へ仕掛けを投入します。 着水したら、リールを巻いて、仕掛けを撒き餌のポイントまで引っ張ってきます。こうすることで、ハリスが一直線になり、馴染みが良くなります。
STEP 3:【最重要】ラインメンディング
フカセ釣りが上手いか下手かは、ここですべて決まります。 ラインメンディングとは、「海面に落ちている道糸(ライン)を操作・修正すること」です。
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なぜ必要なのか? 風や潮の流れによって、道糸が「Uの字」に膨らんでしまうと、ウキが道糸に引っ張られて不自然な動きをします。これでは魚が食いません。
- やり方:

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キャスト後、道糸が風で横に流されたとします。
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竿先を海面近くまで下げ、リールを巻かずに「竿をピシッと風上側に煽る(振る)」動作をします。
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すると、海面に浮いている道糸が持ち上がり、置き直されます。
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理想形: ウキから竿先までの道糸が、「一直線」かつ「少し緩んでいる(張りすぎない)」状態をキープすることです。
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初心者の多くは、糸を張りすぎてウキを手前に引っ張ってしまっています。「ウキを動かさずに、道糸だけを修正する」のがコツです。
強風時のラインメンディングについてはこの記事で詳しく解説しています↓

STEP 4:アタリと合わせ(フッキング)
ウキを凝視していると… 「スーーッ」と静かに沈んだり、「スパッ!」と一気に消し込んだりします。
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合わせのタイミング: ウキが見えなくなるくらい沈んだら、「竿を鋭く立てて」合わせます。 大げさに鬼合わせする必要はありません。手首を使って「ビシッ」と立てるだけで針は掛かります。
STEP 5:やり取り(ファイト)と取り込み

出典:https://fish.shimano.com/ja-JP/product/rod/isobouhatei/uwamono/a075f000047ji7jqaa.html
魚が掛かったら、竿を立てて弓なりの弾力を活かします。
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リールを巻く時: 魚が引いていない時に巻きます。
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巻いてはいけない時: 魚が強く突っ込んでドラグ(リールの糸出し機構)が鳴っている時は、絶対にハンドルを巻かないでください。 糸がヨレて切れる原因になります。竿をためて耐えるだけでOKです。
魚が水面まで浮いて空気を吸わせたら、観念して横たわります。 タモ網を先に海に入れて待ち、魚を誘導して頭からネットインさせます。「魚をすくう」のではなく「魚を網に導く」のがコツです。
よくある質問・トラブルシューティング
フカセ釣りにトラブルはつきものです。現場で困った時の処方箋です。
Q1. エサ取り(小魚)だらけで、すぐにエサが無くなります。
A. 「分離作戦」を徹底してください。 足元に大量の撒き餌を打ち、エサ取りを足元に集めます。その隙に、沖のポイントに本命用の撒き餌を「1杯だけ」打ち、そこに仕掛けを合わせます。 それでもダメな時は、付け餌を「生オキアミ」から「ボイル」や「練りエサ」に変える、あるいはマキエの着水点から大きく離れた場所に仕掛けを入れてみるのも手です。また、最終手段として3Bほどオモリを使った仕掛けで、一気にそこまでオキアミを沈めるという方法のあります。
Q2. 仕掛けが絡んでばかりです。
A. 投入時、着水直前に「サミング」をしていますか? キャストして仕掛けが水面に落ちる寸前に、リールのスプール(糸が出るところ)に指を当ててブレーキをかけます。すると、ウキよりも先に針が飛んでいき、一直線の状態で着水します。これをやるだけで絡みは激減します。
Q3. 全く釣れません。ウキも沈みません。
A. 「タナ(ウキ下の長さ)」を変えてみましょう。 魚がいる層とエサの層が合っていません。まずはウキ止めを動かして、どんどん深くしていきましょう。底付近まで探ってもダメなら、ハリスを細くする(1.5号→1.2号)、針を小さくする(6号→4号)など、仕掛けを繊細にしてみてください。
まとめ:フカセ釣りは「一生の趣味」になる

https://fish.shimano.com/ja-JP/product/rod/isobouhatei/uwamono/a075f000047ji7jqaa.html
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。 ここまで読んだあなたは、すでにフカセ釣りの理論武装は完璧です。フカセ釣りは、単に魚を釣るだけでなく、潮を読み、風を計算し、自然と同化する奥深いゲームです。 最初はライントラブルに泣かされたり、思ったように釣れない日もあるでしょう。私もそうでした。 しかし、試行錯誤の末に、自分の読み通りにウキが消し込み、竿が満月に曲がった瞬間の感動は、何にも代えがたいものがあります。まずは近くの堤防から。 この記事をブックマークして、現場で読み返しながらチャレンジしてみてください。
【最終チェック】これだけ揃えば今すぐ釣りに行ける!フカセ釣り「買うものリスト」
長文を読んでいただきありがとうございました。 最後に、今回ご紹介した「初心者が最初に揃えるべき間違いないアイテム」をリストにまとめました。
釣具屋さんに行く際のメモ代わりに、またはネットショップでのまとめ買いにご活用ください。 これらを揃えれば、あなたの手元にはすでに「釣れるフカセ釣り師」の装備が整っています。あとは海に行くだけです!
1. 【基本タックル】まずはこの3点!
竿とリールは、安すぎず高すぎない「日本の有名メーカーのエントリーモデル」がコスパ最強です。
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ロッド(竿):1.5号 5.3m
- リール:2500番〜3000番(ハイギア推奨)
道糸(ライン):ナイロン 1.75号(サスペンド・高視認色)
2. 【仕掛けパーツ】釣果を左右する心臓部
ここはセット品ではなく、以下の「バラ売り」を揃えてください。釣果が劇的に変わります。
- 円錐ウキ:G5(メイン用)と B(予備用)
ウキ止め糸:SサイズまたはMサイズ
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潮受けゴム(からまん棒):イエローなど見える色
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サルカン(よりもどし):極小サイズ(8号〜10号)
ハリス:フロロカーボン 1.5号(※ここは良いやつを!)
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ガン玉(オモリ):(G8, G5, Bは必須)
針:グレ針 6号
3. 【装備・ギア】安全と快適さのために
ライフジャケットなしでの釣りは絶対にNGです。
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ライフジャケット(フローティングベスト)
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タモ網(玉の柄+枠):長さ5m
磯靴(スパイクシューズ):堤防ならフェルトスパイクが万能
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[アフィリエイトリンク:フェルトスパイクシューズ]
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偏光グラス:海の中が見える魔法のメガネ
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[アフィリエイトリンク:ダイワ 偏光グラス]
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4. 【エサ作り道具】手返しアップ&汚れ防止
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バッカン:40cm(ハードタイプ推奨)
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マゼラー(コマセミキサー):オキアミ粉砕用
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撒き餌杓(ヒシャク):長さ70cm以上
- ヒシャクスタンド
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水汲みバケツ:ロープ付き
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サシエ入れ(エサバコ):バッカンに取り付ける箱
5. 【エサ・消耗品】出発前に用意!
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オキアミブロック 3kg(※ネットでは高いので釣具屋での購入推奨ですが、一応リンク)
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集魚剤:マルキュー グレパワーV9
- 加工オキアミ(付け餌):Mサイズ
準備はいいですか? 道具が届いたら、糸を結ぶ練習を一度だけ家でやってみて、週末は海へ出かけましょう。 一生の趣味となる「フカセ釣り」の世界が、あなたを待っています!
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